AESCとユミコア、EVバッテリー正極材の長期供給契約を締結

2026年からAESCの米国工場へ供給開始、同国でのビジネスを加速

 

 

 日本のリチウムイオンバッテリー大手のAESC (本社:神奈川県座間市CEO:松本昌一) とベルギーの非鉄金属大手ユミコア(本社:ベルギー、 CEO:マティアス・ミードライヒ) は、EVバッテリーの主要部材である正極材(CAM)の供給に関して、長期契約を締結しました。この契約により、AESCの米国工場で生産されるバッテリーに使われる正極材は、ユミコアから供給されることになります。

 ユミコアとの提携は、AESCの米国ビジネスを強化していくための重要な戦略の一つです。この提携により、当社の北米供給網はさらに強化され、米国市場におけるバッテリー生産能力のさらなる向上が期待されます。また、原材料の供給網を多角化することで、BMWグループをはじめとする自動車メーカーの米国生産拠点への安定的なバッテリー供給が可能となります。
 2026年から、年間で最大50ギガワット時(GWh)分のバッテリー*¹をまかなえる量の正極材が提供される予定です。2026年から韓国・天安市にあるユミコアの工場から供給が開始され、カナダ・オンタリオ州ローヤリストの工場*²が立ち上がり次第、同工場からの供給も同年に予定しています。

 AESCは現在、ケンタッキー州とサウスカロライナ州に工場を建設しており、既存のテネシー州の工場とあわせ、2026年には米国で3工場を稼働する予定です。ユミコアとの提携により、北米由来の材料を使用したバッテリーを米国内で生産し、同国のさらなるEV普及に貢献していきます。
*¹一般的な50KWhのEV約100万台分相当
*²ローヤリストの工場は建設中(2026年に稼働開始予定)

 

ユミコアCEO:マティアス・ミードライヒ氏
「AESCと長期的なパートナーシップを結び、同社の世界的な成功と拡大をサポートできることを大変誇りに思います。今回の提携は、持続可能かつ地産地消のバッテリーバリューチェーンを構築するという我々のグローバル戦略の成功を象徴し、高いバッテリー関連技術をもつ両社の業界リーダーとしての地位を確立するものです。」

 

BMW グループ 取締役 購買およびサプライヤーネットワーク担当:ヨアヒム・ポスト氏
「私たちは、3つの主要地域でグローバルにバランスの取れた調達戦略を追求しており、当社の米国バッテリーセルサプライヤーであるAESCは今後、主要材料をカナダから調達する予定です。これは、サプライチェーンを地産地消化するという当社のビジネス方針に沿い、スパータンバーグにある当社の米国工場のサプライチェーンを精緻にするための重要な取り組みです。」

 

AESC CEO:松本昌一
「EVバッテリーに不可欠な、高品質材料を大規模に供給できるユミコアと提携できることをうれしく思います。業界のリーダーであるユミコアとの提携を通して、当社の米国における原材料サプライチェーンをさらに強固にし、先進的なバッテリー開発も加速させていきます。米国の生産拠点を強化し、今後も自動車メーカーから選ばれるバッテリーメーカーとして、邁進してまいります。」


 AESCは、世界に誇る日本のものづくり技術と長年の研究開発による知見を基に、自動車および電池業界の国際競争力の向上に貢献し、カーボンニュートラル社会の実現に向けたグリーン産業の発展を通じて地域を活性化するとともに、高付加価値の雇用をグローバルに創出してまいります。